2008年11月25日

労働時間と残業代

イースリーパートナーズ社労士事務所です。

労働時間と残業代について、「なぜ、未払い賃金が発生するか」について考えます。

本日は、「自己申告において適切に申告されていない」です。

厚生労働省より、「労働時間適正把握基準」(平13.4.6基発339号)が次のように通達され行政指導されています。
「・・・一部の事業場において、自己申告制の不適切な運用により、労働時間の把握が曖昧となり、その結果、割増賃金の未払いや過重な長時間労働の問題も生じている。・・・」

「(自己申告により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置)
タイムカード、ICカード等の客観的な記録方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ずること。
ア 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
なお、労働者に対して説明すべき事項としては、自己申告制の具体的内容、適正な自己申告を行ったことにより不利益な取扱いがないことなどがあること。
イ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること。
なお、自己申告による労働時間の把握については、曖昧な労働時間管理となりがちであることから、使用者は、労働時間が適正に把握されているか否かについて定期的に実態調査を行うことが望ましいものであるが、自己申告制が適用されている労働者や労働組合等から労働時間の把握が適正に行われていない旨の指摘がなされた場合などには、当該実態調査を行う必要があることを示したものであること。
ウ 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間が削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。
なお、労働時間の適正な把握を阻害する措置としては、基準で示したもののほか、例えば、職場単位ごとの割増賃金に係る予算枠や時間外労働の目安時間が設定されている場合において、当該時間を超える時間外労働を行った際に賞与を減額するなど不利益な取扱いをしているものがあること。」
「労働時間適正把握基準」に基づき、労働基準監督官の「臨検」(立入検査)が行われ、是正勧告や指導が行われています。
上記の「労働時間適正把握基準」に示された通りの自己申告制でない場合は、指導される可能性が高く、「労働時間適正把握基準」にそった自己申告制を実施することが必要になります。
ただし、「労働時間適正把握基準」は通達であって法律や規則ではありません。行政指導にあたっての基準なのです。

イースリーパートナーズ社労士事務所
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2008年11月19日

労働者派遣制度の改正要綱

社労士のMです。

久しぶりのブログです。

先日、あるお二方とお食事する機会があり、そのときにブログの話題が出ました。
≪この2週間、社労士のMさんブログ更新してませんね≫
親しい友人以外にも私のブログを毎回チェックしてくださっている方がいらっしゃることを知って、とてもうれしく思いましたわーい(嬉しい顔)

さて、先般、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱についての答申が行われました。
要綱では、「期間を定めないで雇用される労働者に係る特定を目的とする行為の解禁」「関係派遣先への労働者派遣の制限」「日雇労働者についての労働者派遣の禁止」「離職した労働者についての労働者派遣の禁止」などが示されています。

改正点の詳細が決定されましたら、ご紹介いたしますが今後は労働者派遣制度は緩和される部分と制限される部分ができるので改正前に十分な確認が必要かと思います。
posted by イースリーパートナーズ at 01:33| Comment(1) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月17日

労働時間と残業代

イースリーパートナーズ社労士事務所です。
労働時間と残業代について、「なぜ、未払い賃金が発生するのかについて」考えます。
今回は、労働時間の計算が適切に行われていない場合です。

労働時間を算定し把握する義務は通常使用者に課せられていると考えます。タイムカードなどで始業・終業時刻を管理している場合、通常始業時刻前及び終業時刻後にタイムカードが押されます。始業時刻・終業時刻をそのように規定している場合は、始業時刻前に押された時間は早出残業時間になりますし、終業時刻後に押された時刻は時間外残業時間になります。厳密にいえば1分単位です。
このように取り扱われないためにも、タイムカードの時刻は、拘束時間の開始と終了及び出勤・退勤の確認のための手段であることを明確にしておきます。そうすると形式的な労働時間ではなく、実労働時間という考えが成り立ちタイムカードの時間が労働時間でないと考えられます。ただ、時間外の残業承認制になっており、承認時刻よりかなり遅くタイムカードが押されている場合は、遅くなった時刻まで労働していることが推定されます。使用者はその時間が労働時間でないことを証明しない限り、タイムカードの時刻まで労働時間が算定されると認識しておく必要があります。


イースリーパートナーズ社労士事務所
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2008年11月10日

労働時間と残業代

労働時間と残業代で、「なぜ、未払い賃金が発生するか」について、またまた記載したいと思います。

本日は「残業時間の上限を設定している」と「時間外手当の上限を設定している」についてです。
「残業時間の上限を設定している」については、
残業時間の上限を30時間や45時間などと決めて管理するケースです。それを超えた場合は、超えた時間分の時間外残業手当を別途支払う必要があり、これが支払われていないケースでよく労働基準監督官の指導(是正勧告)を受けることになります。
「時間外手当の上限を設定している」については、
時間外手当の上限を1万円や3万円などと決めて、それ以上は支払っていないケースです。この場合労働時間を算定する必要がなく、計算していないケースや労働時間そのものを計算していないケースも見受けられます。時間外手当分に相当する残業時間内であれば問題ありませんが、それ以上の残業を行っている場合は、未払い賃金が発生することになります。また、労働時間の把握は使用者が行わなければならず、従って、労働時間をつけている社員などから申告があった場合は不利な立場に立たされることになります。
上記のどちらについても、
単に見直すだけでなく、賃金体系も含め、総額人件費(年収ベース)の観点から見直し、就業規則(給与規程)に規定する必要があります。

イースリーパートナーズ社労士事務所
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2008年11月04日

労働時間と残業代

なぜ、未払い賃金が発生するかについて、今回は年俸制の問題についてです。

年俸制なので時間外残業代も当然含んでいるあるいは含んでいるのではないかと考えている。
就業規則に例えば「労働者の賃金は年俸制により支給し、毎月15等分して支給する。なお、賞与支給月に3等分を支給する」というような場合には、注意が必要です。
@ 時間外残業代については全く規定されていないので、支払われていないということになります。
A 3ヶ月分を賞与として支給しようとしていますが、「賞与とは支給額があらかじめ確定されていないものをいい、支給額が確定されているものは賞与とみなされない」(昭22.9.13基発17号)からも賞与とみなされません。月額給与としては15等分ではなく12等分で計算する必要があります。
これらから、時間外残業代未払い分として、次の計算式で月額の未払い残業代を計算することになります。(なお、法定外休日出勤(土曜出勤など)は考慮していません。)

月額残業代未払額=年俸額÷12÷月所定労働時間×1.25×月当たりの時間外残業時間

【例:年俸額720万円、月所定労働時間160時間、月当たり時間外残業時間40時間とした場合】
1月当たり 720万円÷12÷160×1.25×40=18万7500円となり、
最大2年訴求すると 187,500円×24か月=450万円となります。
対象社員数が100名だとすると、450万円×100名=4億5千万円となってしまいます。

上記を回避するためには、就業規則に年俸制をきちんと規定し、かつ、賃金辞令などの年俸提示において適正に設定することが必要となります。その際、賞与についてはあらかじめ定まっていないことが必要となります。

イースリーパートナーズ社労士事務所
posted by イースリーパートナーズ at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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