2006年11月29日

ホワイトカラー労働時間法制と労働契約法

社会保険労務士の深津です。

労働政策審議会労働条件分科会(H18.11.10)の資料からの検討案と私見です。コメントが多くなるので、検討案を3回続けて載せ、その後に私見(コメント)を載せていきたいと思います。

ホワイトカラー労働者について、労働時間に関する一律的な規定の適用を除外することを認めることに関して


(1)【対象労働者の要件案】
・労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事する者であること
・業務上の重要な権限及び責任を相当程度伴う地位にある者であること
・業務遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする者であること
・年収が相当程度高い者であること

(2)【制度の要件案】
労使委員会を設置し、下記(3)に掲げる事項をを決議し、行政官庁に届出ること

(3)【労使委員会の決議事項案】
・対象労働者の範囲
・賃金の決定、計算及び支払方法
・週休2日相当以上の休日の確保及びあらかじめ休日を特定すること
・労働時間の状況の把握及びそれに応じた健康・確保措置の実施
・苦情処理措置の実施
・対象労働者の同意を得ること及び不同意に対する不利益取扱いをしないこと
・その他(決議の有効期間、記録の保存等)

(4)【健康・福祉確保措置案】
週40時間を超える在社時間等が月80時間程度を超えた対象労働者から申出があった場合には、医師による面接指導を行うことを必ず決議して実施する

(5)【制度の履行確保措置案】
・対象労働者に対して、4週4日以上かつ1年間を通じて週休2日分の日数(104日)以上の休日を確実に確保できるような法的措置を講ずる
・対象労働者の適正な労働条件の確保を図るため、厚生労働大臣の指針を定める
・指針において、使用者は対象労働者と業務内容や業務の進め方等について話し合うことを示す
・行政官庁は、制度の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、使用者に対して改善命令従わなかった場合には罰則を付すこととしてはどうか
・対象労働者には、年次有給休暇に関する規定は適用することとしてはどうか

(私見)
労使委員会の決議を行政官庁に届出るらしいですが、行政官庁の裁量の範囲を明確にして欲しいです。
賃金の計算については注意が必要かなと思います。
労働時間の状況の把握については、前回にも述べましたとおり疑問が多いです。
問題は、対象労働者の同意を得ること及び不同意に対する不利益取扱いをしないことですが、労使委員会を組織する意味がなくなり、わざわざ労使委員会を組織しているのだから個別の同意は必要ないのではないでしょうか?
また、同意ということにつき問題が発生しそうな予感がします。

イースリーパートナーズ社労士事務所
社会保険労務士 深津 敬
〒569-0803
大阪府高槻市高槻町14-13丸西ビル4階
TEL:072-682-2348
FAX:072-682-2349
e-mail:info@jinji-roumu.jp
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●就業規則・労働書式文例集
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2006年11月28日

ホワイトカラー労働時間法制と労働契約法

社会保険労務士の深津です。

労働政策審議会労働条件分科会(H18.11.10)の資料からの検討案と私見です。コメントが多くなるので、検討案を3回続けて載せ、その後に私見(コメント)を載せていきたいと思います。

ホワイトカラー労働者について、労働時間に関する一律的な規定の適用を除外することを認めることに関して


(1)【対象労働者の要件案】
・労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事する者であること
・業務上の重要な権限及び責任を相当程度伴う地位にある者であること
・業務遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする者であること
・年収が相当程度高い者であること

(2)【制度の要件案】
労使委員会を設置し、下記(3)に掲げる事項をを決議し、行政官庁に届出ること

(3)【労使委員会の決議事項案】
・対象労働者の範囲
・賃金の決定、計算及び支払方法
・週休2日相当以上の休日の確保及びあらかじめ休日を特定すること
・労働時間の状況の把握及びそれに応じた健康・確保措置の実施
・苦情処理措置の実施
・対象労働者の同意を得ること及び不同意に対する不利益取扱いをしないこと
・その他(決議の有効期間、記録の保存等)

(4)【健康・福祉確保措置案】
週40時間を超える在社時間等が月80時間程度を超えた対象労働者から申出があった場合には、医師による面接指導を行うことを必ず決議して実施する

(5)【制度の履行確保措置案】
・対象労働者に対して、4週4日以上かつ1年間を通じて週休2日分の日数(104日)以上の休日を確実に確保できるような法的措置を講ずる
・対象労働者の適正な労働条件の確保を図るため、厚生労働大臣の指針を定める
・指針において、使用者は対象労働者と業務内容や業務の進め方等について話し合うことを示す
・行政官庁は、制度の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、使用者に対して改善命令従わなかった場合には罰則を付すこととしてはどうか
・対象労働者には、年次有給休暇に関する規定は適用することとしてはどうか


(私見)(1)について
労働時間では成果を適切に評価できない業務は、どのように選定するのでしょうか。例えば、成果主義(職務評価や能力評価、業績評価等)により賃金が決まり仕組みがあるなどというような気がするのですが、その場合そもそも中小零細企業でそのような仕組みがない場合大変です。
以前から、労働契約法制、労働時間法制の議事録の中で、経営者側は中小零細に配慮して決めるべきと主張されていますが、労働者側は中小零細等で別々に考えるべきでなく、一律的に考えるべきだと主張されてきました。結果を見ると中小零細という文言はどこにも入っていないような気がします。

また、業務上の重要な権限及び責任を相当程度伴う地位にある者とは、どういう労働者でしょうか。
いつもこのあいまいさが、後々の問題になるような気がします。

業務遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととありますが、現在の裁量労働制でもありますように、いつもこの文言には?です。
なぜなら、そのように言いながら、この後出てきます在社時間が80時間を超えるなどと、実際には時間を把握しなければならないからです。まして、裁量労働などはみなし制であるから、そのようなことはおかしいはずです。

最後の大問題が年収が相当程度高い者であることですが、相当程度高い年収が400万円なのでしょうか?それとも450万円なのでしょうか?
昨年の年収で見るのでしょうか?
なぜ、年収なのでしょうか?
適用除外となっている管理監督者については年収要件はなく、なぜ年収要件が必要なのでしょうか?
仮に年収400万円などと決定した場合は、私なら全員400万円に合わせ、そこからの昇給(改定給)のピッチを少なくして調整するかもしれません。

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2006年11月27日

労働時間法制と労働契約法

社会保険労務士の深津です。

第67回労働政策審議会労働条件分科会(H18.11.10)の資料からの検討案と私見です。

(1)時間外労働の削減のため

・特別条項付き協定を締結する場合に割増賃金率も定め、法定の率を超えるようにしてはどうか
・一定時間を超える時間外労働を行った労働者に対して、現行より高い一定率による割増賃金を支払うことにしたらどうか
・割増率の引上げ分については、労使協定により、金銭の支払にかえて、有給の休日を付与したらどうか

後に触れるホワイトカラーエグゼンプションの制度と考えると、ホワイトカラーで対象になってくる方は、若い労働者や女性労働者が考えられます。逆に中間管理職はいくらでも働け、入社間もない方などは残業代抑制からも早く帰れという現象になるかもしれません。
健康の確保を考慮した結果からこのような検討案が出されていると思いますが、実際には逆行するのではないでしょうか。

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