2008年07月02日

パワーハラスメント判決

社労士のMです。

7月1日、松山地裁でパワーハラスメント(職権による人権侵害)による自殺を巡る訴訟の判決が出ました。
上司の執拗な叱責(しっせき)が原因で自殺したと労災認定された遺族が会社に1億4500万円の損害賠償を求めた訴訟だったのですが「執拗な叱責は違法」として約3100万円の支払いを裁判長は会社に命じました。
パワーハラスメント(職権による人権侵害)による自殺を巡る訴訟で損害賠償を認めた判決は異例ですが、遺族側は「夫の過失が大きいと指摘された点は納得できない」(本人の過失により、賠償額が減額されています。)と控訴を予定しているのだそうです。

自殺した男性は上司に何度も呼び出され、『この成績は何だ』などと叱責されていたようです。
裁判長は「社会通念上許される範囲を超える叱責があった」と認定しました。

遺族は控訴するようなので高裁の判決が気になるところです。
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2008年04月07日

時間外遡及支払 もみじ銀行

もみじ銀行は、広島中央労働基準監督署から残業代につき是正指導を受け、本年1月に残業代2億9千万円を支払った事が明らかになりました。

もみじ銀行は、労働時間の把握を従業員自ら記入する勤務状況表と上司の現任という方法で行っていましたが、監督署の調査によるパソコンの記録などから判明した労働時間と申告に基づく労働時間に乖離があるとして差額の支払を命じられたものである。

自己申告でもかまいませんが、正しく申告する事が必要です。

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2008年02月21日

労働契約法の施行

労働契約法が平成20年3月1日より施行されることになりました。
それに伴い、事務次官等の通達も発令されましたので、私なりの注意点を記載したいと思います。

(1)就業規則の変更による労働契約の変更について
就業規則の変更が合理的である必要がありますが、争った場合、合理的であるかどうかの評価を基礎づける事実(評価根拠事実)は、使用者側に立証責任があります。
従いまして、合理的な理由があるかどうかをしっかり検討する必要があります。
労働契約法第10条において、
@労働者の受ける不利益の程度
A労働条件の変更の必要性
B変更後の就業規則の内容の相当性
C労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情
と明記されました。これは、就業規則による不利益変更法理を条文に規定したわけですが、それではこれらはどういうことでしょうか。
「労働契約法の施行について」の通達においては下記のように示されましたので、しっかりとその状況においてこれらについて確認する必要があります。
@「労働者の受ける不利益の程度」については、個々の労働者の不利益の程度をいう。
A「労働条件の変更の必要性」は、使用者にとっての就業規則による変更の必要性をいうものである。
B「変更後の就業規則の内容の相当性」は、就業規則の変更の内容全体の相当性をいうものである。
C「労働組合等との交渉の状況」は、交渉の経緯、結果等をいうものである。
C「その他の就業規則の変更に係る事情」は、上記を含め就業規則の変更に係る諸事情が総合的に考慮される事をいう。とあります。

これらから、問題となるのは「給与の変更」「退職金の変更」「労働時間」の変更で不利益の程度が大きいことが示されています。
判例では、上記に加え、「代償措置」最近では「経過措置」も重要な要件となっております。これらが十分に施され、立証できるようにしておく必要があります。

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2008年02月20日

労働契約法の施行

労働契約法が平成20年3月1日より施行されます。

それに伴い、事務次官通達等が発令されましたので、その中で私なりに注意点をあげてみます。

(1)労働者について
労働契約法第2条において、労働者については「使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」とさてており、この判断については、労働基準法第9条の「労働者」と同様に考えます。
注意すべき点は、民法上の「請負」「委任」「非典型契約で労務提供する者」であっても、実態として使用従属関係があれば「労働者」に該当するという事です。
使用者については、労働基準法上の使用者より狭い概念であり、個人企業であれば個人事業主、法人であれば法人そのものになります。

(2)労働契約について
労使対等とうたわれているのは、勘違いしやすく労働者保護の観点からきています。
労働契約法において、権利濫用として第3章に「出向」「懲戒」「解雇」に関する権利濫用が規定されていますが、それ以外であっても権利濫用はできない事が、法第3条第5項においてまとめて規定されています。
労働契約については、理解の促進を強く促しており、契約内容がお互いにあいまいにならないようお互い自覚できるように締結する必要があります。

(3)安全への配慮について
労働契約に特段の記載等なくても、労働契約上の付随義務として当然に安全配慮義務を負う事が明らかにされました。

労働契約の変更については、次回において記載します。

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2008年02月14日

ミドリ電化と労働契約法の施行日

ミドリ電化が、残業代を退職者も含めて2年間遡り、総額37億円を支払いました。そのうち、15億5400万円は、管理監督者とみなした分です。

労働契約法が平成20年3月1日から施行になります。

就業規則の見直しよりも、合意ということが強調されているわけですから、労働契約を見直すのも一考です。

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2008年01月25日

スキーバス事故判決

Hです

昨年2月、大阪府吹田市で観光バスの運転手が居眠り運転をし
激突事故を起こして死傷事故を起こした事はまだ記憶に新しいと思いますが、
大阪地裁は本日25日「利益を優先し過労運転を命じた」として観光バス会社社長と事故後に運転手である長男がきちんと休暇を取っていたように書類を改ざんしたなどと妻の専務に有罪判決が言い渡されました。運転手である社長の長男は既に有罪が確定していて事故当時同乗していた社長の三男が死亡、乗客25人も重軽傷とあずみ野観光バス(現ダイヤモンドバス)にとっては旅行会社からの要請とはいえあまりに後悔の残るツアーになったのでは。
また先日高速バスの運転手が意識を喪失し異変に気づいた乗客がハンドルを操作し、バスを停止させ乗客26人にケガはなかったという事故がありました。あとで運転手がインフルエンザであり熱があり風邪薬を服用していたことがわかったのですが会社側が点呼時に体調不良状態が把握できなかったのは問題、管理体制をチェックされるのは致し方ないでしょう。
こういった事故が起こるたび、管理体制も問題にされることが大変多いです。
お読みいただいて、再度自社の管理体制に問題がないか見直していただく機会になれば幸いです
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2007年12月17日

労働契約法

社労士のFです。

労働契約法案が可決されました。

公布日は、平成19年12月5日です。
「公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」とあることこから、遅くとも平成20年3月5日までには施行されることになります。
ところで、この何のために作ったかわからない腑抜けのような法案ですが、大事な事もあります。

就業規則と労働条件について規定していることです。
労働者の合意なく就業規則を変更できるとしております。
労働契約の内容は就業規則で定める労働条件であるとしています。

まず、2月までに就業規則を整備しておく必要がありそうです。

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2007年02月22日

スキーバス事故

社労士のMです。

先日、吹田でスキーバスの事故がありました。事故原因は居眠り運転でした。
運転手は21歳で大型バスの運転の経験も浅いうえに、途中からは交代もなく、一人で運転しており、過重労働だったと報道されていました。
スキーバスは夜間に走行することが多いと思うのですが、今回のスキーバスも深夜に走行していたようです。

この報道を知ったときに、あれっ?と思ったことがあります。
死亡したアルバイト添乗員は16歳だったそうですが。。。労働基準法では18歳未満の年少者の深夜労働(午後10時から午前5時)を禁じています。
例外は交替制で使用する16歳以上の男性、災害によって緊急に労働させる必要がある場合等です。
では、亡くなられた16歳の添乗員の方は深夜労働にあたらないのだろうかと思ったのです。
家族従事者ならよいのだろうか?(添乗員はバス会社の社長の息子さんでした。)
添乗員は例外にあたるのだろうか?
そこで、労働基準監督署に確認してみました。
まず、バスの添乗員は例外とは認められないので16歳の添乗員は深夜バスでの労働はできない。
次に家族従事者でも労働者性がある場合は例外とは認められないのでこの場合も深夜労働はできないとのことでした。

最近は格安なバスツアーがたくさんあり、大変な競争になっているようです。
安くするために人件費を削り、その結果過重労働や労働基準法違反するようなことが起こります。
企業も大変だと思いますが、安全を確保するためにも労働基準法を遵守し、こんな事故が起こらなければいいなと思います。
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2007年01月10日

労働事件判例をよむ(日立製作所武蔵工場事件)最平3.11.28一小判)

社会保険労務士の深津です。

就業規則により、懲戒解雇した事例で「日立製作所武蔵工場事件」についてです。

判決を抜粋すると、「当該就業規則の内容が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、就業規則の規定の適用を受ける労働者はその定めるところに従い労働契約に定める労働時間を超えて労働する義務を負うものと解すると相当とする」とし、就業規則が合理的なものである限りはそれが労働契約の内容であるとしている。

この事件では、実際には上司の残業命令に従わなかったことは、36協定の事由に該当することから、残業命令に従う義務があり、その懲戒解雇は権利の濫用ではないとした。


イースリーパートナーズ社労士事務所
社会保険労務士 深津 敬
〒569-0803
大阪府高槻市高槻町14-13丸西ビル4階
TEL:072-682-2348
FAX:072-682-2349
e-mail:info@jinji-roumu.jp
URL:http://www.jinji-roumu.jp/
●就業規則・労働書式文例集
http://www.jinji-roumu.jp/useful/index.html
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2007年01月09日

労働事件判例をよむ(大曲市農業協同組合事件@最昭63.2.26三小判)

社会保険労務士の深津です。

就業規則の不利益変更のモデル事件です。

「秋北バス事件」において「新たな就業規則の作成又は変更によって、既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として許されないと解すべきであるが、労働条件の集合的処理、特にその統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該規則条項が合理的なものである限り、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されない」とされましが、

上記、規則条項が合理的なものであるとは下記のようなことであるとしています。
「当該就業規則の作成又は変更が、その必要性及び内容の両面からみて、それによって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても、なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものであることをいうと解される。特に賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、当該条項が、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、その効力を生ずるものというべきである。」とし、賃金の不利益変更は高度の必要性に基づいた合理的な内容が必要とされるということです。

今回の事件からは、
1.不利益の程度はそんなに大きくない
2.変更の必要性の高さは十分である
3.代償措置が取られている
4.他の労働条件の改善状況がある(休日・休暇・諸手当・旅費等の面、定年延長)
よって、被った不利益を考慮しても、なおその法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものといわなければならない。

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2006年12月22日

労働事件判例をよむ(電電公社帯広局事件A、最S61.3.13第一小判)

社会保険労務士の深津です。

就業規則に関する労働判例として、電電公社帯広局事件を取り上げます。今回は2回目です。

(キーワード)就業規則 懲戒 業務命令 受診拒否

この事件に関しては、公社就業規則を健康管理規程はいずれも合理的なものであり、それらの規則の内容が労働契約上その労働力の処分を公社に委ねている主旨に照らして、労働契約の内容となっているものと認めることができるとした。
また、健康回復のために従うべきとされている指示の具体的内容については規程上定めは存しないが、それは合理性ないし相当性を肯定し得る内容の指示であることは認められる。
この合理性ないし相当性が肯定できる以上は、指示できる事項を限定的に考える必要はなく、例えば、精密検診を行う病院ないし担当医師の指定、その検診実施の時期等についても指示することができるというべきものであるとしている。

以上から、業務命令違反については、これを拒否したYの行為は、就業規則の懲戒事由に該当し、職場離脱も同様就業規則の懲戒事由に当たる。

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2006年12月21日

労働事件判例をよむ(電電公社帯広局事件@、最S61.3.13第一小判)

社会保険労務士の深津です。

就業規則に関する労働判例として、電電公社帯広局事件を取り上げます。

(キーワード)就業規則 懲戒 業務命令 受診拒否

「一般に業務命令とは、使用者が業務遂行のために労働者に対して行う指示又は命令であり、使用者がその雇用する労働者に対して業務命令をもって指示、命令できる根拠は、労働者がその労働力の処分を使用者に委ねることを約する労働契約にあると解すべきである」
・・・「従って、使用者が業務命令をもって指示、命令することのできる事項であるかどうかは、労働者が当該労働契約によってその処分を許諾した範囲内の事項であるかどうかによって定まるもの」として、労働契約の範囲内で業務命令できると示唆している。

「使用者が当該具体的労働契約上いかなる事項について業務命令を発することができるかという点においても、就業規則が労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服従すべき旨を定めているときは、そのような就業規則の規定内容が合理的なものである限りにおいて当該具体的労働契約の内容をなしているものということができる。」として、合理的な労働条件を定める就業規則は法規範性まで認められているので、就業規則の内容は労働契約の内容をなしているといえ、労働者が労働力の処分を使用者に許諾した範囲内といえるのでその労働契約に対する使用者の指示・命令としての業務命令に従う義務があるといえる。

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2006年12月20日

就業規則に関する主な判例を読む(秋北バス事件から)

社会保険労務士の深津です。

秋北バス事件の判例から次のようなことが読めます。

「労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社会的規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものであるかぎり、経営主体と労働者との間の労働条件は、その就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法規範性が認められるに至っているものということができる」
合理的な労働条件を定めた就業規則に対しては、法規範性まで認めたものである。

また労働者は、就業規則の存在及び内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別的に同意を与えたかどうかを問わず、当然にその適用を受けるものというべきであるとし、周知及び同意がなかったとしても、法規範性が認められる就業規則については有効であるといえる。
「新たな就業規則の作成又は変更によって、既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として許されない」としているが、
「労働条件の集合的処理、特にその統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該規則条項が合理的なものである限り、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されないと解すべきであり、これに対する不服は、団体交渉等の正当な手続による改善を待つほかない」として、合理的な労働条件を定める就業規則の有効性を示している。

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2006年12月13日

不利益変更法理(ノイズ研究所事件の裏表)

社会保険労務士の深津です。

年功序列賃金から成果型賃金への変更が平成18年6月22日東京高裁で1審から逆転で認められましたが、前回1審と2進の判決の違いをクローズアップさせました。

今回は、その判決から見える不利益変更法理を確認したいと思います。
不利益変更法理は、確立されており今回の1審、2審ともほぼこの内容に沿って合理性の判断が認められています。

今回の高度な合理性の基準に、賃金総額原資を減らしていないということがあります。つまり、賃金を減額する目的ではなく、頑張った者により成果が反映されるよう分配の仕組みを変えたということです。判決では、賃金額決定の仕組み、基準を変更するものであるとしています。
ここで、考えなければならないのは、高度の業務上の必要性がある企業で賃金変更する場合に、賃金総額原資が減らさざるを得ない場合です。
この場合は、私の私見ですが、賃金の切下げと整理解雇ということで考える必要があるのではないかと思います。

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2006年12月12日

不利益変更法理(ノイズ研究所事件の裏表)

社会保険労務士の深津です。

年功序列賃金から成果型賃金への変更に関して、平成18年6月22日東京高裁は、変更を認める判決を出しました。(ノイズ研究所事件)

1審では、逆に企業側が敗訴しています。
通常、就業規則の不利益変更でしかも賃金・退職金などの場合は、高度の必要性に基づいた合理的なものが要求されますが、1審・2審とも高度の業務上の必要性は認められています。
争点となったのは、代償措置としての経過措置・緩和措置です。
変更に伴う賃金減額に対して、1年目は100%、2年目は50%という経な過措置が設けられたわけですが、1審では2年間の経過措置では短く代償措置としては不十分で変更内容の相当性を否定したものでした。
2審では、経過措置はいささか性急なものであり、柔軟性に欠ける嫌いがあるものの、それなりの緩和措置を認めています。

私が言いたいのは、経過措置を3年にしたからと言って、かならずしも認められるわけではないが、ノイズ研究所事件のように他の要件を充たしている場合は、
逆に3年でも可能ということです。

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